BASEBALL BUSINESS AWARD 2011作品 受賞インタビュー

大賞 慶應義塾大学 商学部 井手秀樹研究会 企画書作成メンバー:加瀬 祐希さん(作成時4年) 隈部 元輝さん(作成時4年) 小川 宏さん(作成時3年) 中原 すみれさん(作成時3年) "野球×環境"異ジャンルを組み合わせ、新しい野球の楽しみ方を提案。

野球を"ひとつの企業"だと考えてみる。研究テーマが活かせるアワードだった。

Q. 井手研究会は何を研究しているのですか?

井手教授:産業組織論という経済学です。わかりやすく言うと、企業や産業の市場がどのような仕組みで成り立っているのかを研究しています。例えば、今回のアワードは野球がテーマですが、野球をひとつの企業として捉えたとして、その企業組織が、社会にどういう影響を与えるか、そして結果としてどんなパフォーマンスをもたらすのかと言った研究をしています。

写真:今回お話しを伺った3人/左から中原さん、小川さん、井手教授

今回お話しを伺った3人/左から中原さん、小川さん、井手教授

Q. 応募しようとしたきっかけは?

井手教授:私が研究会の4年生数名に声をかけたんですよ。「君、やらない?」って感じで(笑)

中原さん:私は当時4年生だった先輩の加瀬さんから誘っていただいたのがきっかけです。正直、野球のことは詳しくなかったのですが、好奇心もあったので、やろうと思いました。

小川さん:僕も声をかけてもらって。僕はもともと野球が好きだったので、話を聞いた時、面白そうだなって思いました。それで、当時3年生だった2人と四年生だった2人の計4人で応募することになりました。

写真:小川さん

野球を楽しんでもらいながら、環境の大切さを伝えたい。その起点に東京ドームを!

Q. 企画のテーマは「野球×環境」でしたね。

小川さん:はい。僕たちの研究会の産業組織論では、電気やガスの仕組みを研究しています。それは、環境と切り離せないものです。なので、環境には前々から興味があったんです。そこで、今回のアワードのテーマである野球と環境を組み合わせてみたら面白いんじゃないかと思いました。環境は長期的な課題なので、とくにこれからの未来を担う子供達に、その大切さを植え付けたいと思い、せっかくなら、東京ドームがその起点となればと思いました。

Q. 具体的な施策のアイデアはどのようにして生まれたのですか?

小川さん:僕たちの企画の中で、「エコジャビ箱」というゴミ箱のアイデアがあるんですが、それは、実際に球場に足を運んでみた際に、ゴミが散乱している現状を見て、それを解決しようと生み出した企画でした。そこで、ゴミ箱をジャビット君にすることで、球場に来ている人に、楽しみながらゴミの散乱防止を意識し、エコに対しても興味を示してもらうようにしたんです。

野球を知らないことが、逆に、面白いアイデアへと繋がった。

Q. 野球にフォーカスした施策にも、面白いものがありましたが。

中原さん:はい。私みたいに野球を知らない人にも、興味を持ってもらいたいと考え、「ジャビットピグ」という企画を考えました。これは、WEB上で、自分のジャビット君を育成したり、他のジャビット君と交流ができるものです。WEB上なら気軽に始められるし、ジャビット君というキャラクターを通してなら、子供や女性など野球のルールを詳しく知らない人にも興味を持ってもらいやすいと思いました。

期限がせまる中、最後まで諦めず考えたことがブレイクスルーに。

Q. どのような流れで企画書を進めていきましたか?

小川さん:まずチームで実際に野球観戦をして、課題点を見つけました。それから、大きなテーマ「野球×環境」を決めた後、環境グループ・野球グループに分かれて各グループで企画を考えていきました。その後、みんなで出たアイデアを絞り込んでいった感じです。

写真:中原さん
写真:中原さん、小川さん

Q. 制作する上で苦労した点はありましたか?

小川さん:新しいアイデアを出すのにとても苦労しました(笑)野球よりも環境の方のアイデアが良かったりして、もう一度野球の方の企画を考え直したり・・・

中原さん:私は、最終締め切りがある中、自分の出すアイデアが却下されたりしたので、期限との戦いに苦労しました(笑)

Q. 制作する上で、心掛けていたことは?

小川さん:企画を考える時には、球場に来る人の心理を意識しました。例えば、野球観戦のこんなところが不満なんじゃないかというところを洗い出し、その課題を克服するには、どんなアイデアがいいのかを考えていく。その作業を繰り返してやりました。

"挑戦"することの大切さ。大賞をとれた"自信"。それは賞金以上の収穫。

Q. 受賞を聞いた時のことを教えてください。

小川さん:めちゃくちゃびっくりして学校で大声をあげちゃいました(笑)賞金は4人で分けました。僕は一瞬で使いましたけど(笑)

中原さん:とても嬉しかったです! 学内にも別で応募している人がいたので、ライバルに勝ったぞ! っていう喜びもありました(笑)

Q. このアワードに参加して得たものはありましたか?

小川さん:挑戦することの大切さです。大賞をとれたので、自信にも繋がりました。また、企画書をつくる構成力は養えたかと思います。ロジカルに物事を考えていく作業だったので、日常生活や学業の考え方も変わった気がします。

中原さん:私は、野球を全く知らない中でのスタートでしたが、皆で打ち合わせを重ねる中で、案外私の意見を受け入れてくれることがあって。そこで、知らないことでも挑戦することに、抵抗感がなくなったのは大きかったですね。

写真:井手教授
写真:取材の模様

固定概念はいらない!自分が楽しむことが相手を楽しませる企画への近道。

Q. さて、2012年も応募がありますがエントリーしますか?

井手教授:はい。学生に聞いたら是非やってみたいと(笑) 今の学生は情報量が多い世の中で、与えられることに慣れていて、自ら"考える"ことが少なくなっている気がするんですね。このアワードは、学生にとってモノを創造する作業の訓練になるので、私も勧めていきたいですね。

Q. 2012年に応募しようと思っている人にアドバイスを!

中原さん:固定観念はいらないと思います。野球だから野球の施策という考えに囚われないで、自由な視点で考えてみたらいいと思います。また、野球をスポーツとしてではなく、ビジネスとして捉えると、今までにないような斬新なアイデアも生まれるのではないかなと思います。

小川さん:一番大切なのは、"想い"だと思います。自分がつまらないと思うアイデアは、やっぱり他の人もつまらないと思うんです。自分が面白いと思うものだからこそ、情熱を注ぐこともできるし、具体的なプランを構築する上でも反映されてくるので。自分がいかに楽しんでやるか、そして相手に楽しんでもらえるかを意識することが大切だと思います。

企画書作成までのプロセス<期間:約2ヶ月>

OB voice

社会人になった今も企画書をつくる"論理力"は活かせています。

このアワードを通して、井手研究会の後輩たちにビジネスコンテストへの参加の意義や企画書制作の仕方を"継承"できたことは先輩として嬉しかったです! 今僕は社会人1年目ですが、社会人になってからも"論理力"はとても大事です。そういった意味でこのアワードは、"論理力"を養えるいい<頭の体操>になると思います。アワードというと、つい高い壁に思いがちですが、一歩踏み込んでチャレンジしてほしいと思います。その先には、チャレンジした人にしか得られない大切なモノがきっとありますから(笑) ぜひ、参加して自身の成長へと繋げていってもらいたいですね。

慶應義塾大学 商学部 卒業生 加瀬祐希さん

慶應義塾大学 商学部 卒業生 加瀬祐希さん

読売新聞学生プランナー

今回のインタビューは、私たち「読売新聞学生プランナー」が担当しました。

◆読売新聞学生プランナーとは

マスメディアの現場を知るために、読売新聞の記者と一緒にイベントの企画・運営をしているプランナー。首都圏の大学生20人で構成し、定期的にプロの仕事を学んでいる。これまでに、東日本大震災取材記者の座談会・写真の撮り方講座などを企画している。

取材後記

  • 津田塾大学 学芸学部3年 川久保莉里さん
    津田塾大学
    学芸学部3年・
    川久保莉里

    とても有意義なインタビューでした。特に、多角的な視点を持っている方々とお話ができた事が一番の収穫でした。「巨人」を野球としてではなく、東京ドームという産業として捉えるという事や、固定概念を打ち破る事の大切さを実感しました。私も物事を俯瞰してみる事が出来る視線を養いたいと思います。

  • 東洋大学 社会学部3年 三平有衣子さん
    東洋大学
    社会学部3年・
    三平有衣子

    以前インターンシップで模擬取材を経験させていただいたことがあるのですが、模擬取材とはまた異なった緊張感がありました。取材を通して企画書が出来上がるまでの裏話も聞くことができました。今回取材に協力していただいた慶応義塾大学井手研究会の皆様、取材に同行していただいた関係者の皆様、大変貴重な経験ありがとうございました。

  • 東洋大学 社会学部3年 柴知里さん
    東洋大学
    社会学部3年・
    柴知里

    スポーツビジネスと環境を組み合わせるという発想が、新鮮でした。アイデアを出す苦労や、異なる意見を1つの企画書にまとめ上げていく作業など、企画書をつくる上で大切なことを学んだような気がします。取材を通して印象的だったのは、「自分が面白いと思うような企画を立てることと固定観念を取り払うことが大切」だという事でした。野球について語る受賞者の方々を見て、私も野球場に足を運んでみたくなりました。

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